平郡島西地区

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島さんぽ2023/02/06

「平郡往還」を歩く

「平郡往還」とは、山口県文書館蔵に所蔵されている「地下上申絵図」に記録が残る、平郡西と平郡東を結ぶ往還です。現在、島の東西を結ぶ主要道路は島北部の県道155号線ですが、昭和中期までは島の南側に位置するこのルートが使用されていました。

本来の往還の出発地点は蛇の池ですが、今回は西地区集落からスタートします。
まずは集落東端の鶴甫南から阿高の棚田を目指します。阿高への路は畑へ行くために通る方もいるので、比較的きれいです。八島を望みながら船倉、そして阿高へ。

阿高を越えた市道はやや道幅が狭くなっている箇所があります。また、落石や土砂などが道を塞いでいる場所もありました。足を取られないよう、注意深く進みます。
人の往来が少ない道は少しジャングル化していますが、島名物石垣や集塊岩(凝灰角礫岩)など意外に変化に富んでおり単調さはありません。また、視界が開けた個所から時折覗く瀬戸内海と青空も気分転換に一役買ってくれますので、楽しく歩き進めることができました。
木の枝がアーチ状に折り重なり、妖精のトンネルのようになっている場所を発見。幻想的な雰囲気に思わずシャッターを押してしまいました。(写真最上部)


歩き始めて1時間20分ほどすると、遠くに東地区の畑らしきものが見えてきます。さらに遠くに目を移すと、平郡三景に数えられる五十谷三島が確認できました。五十谷三島は、その景観もさることながら、美しい白砂の海水浴場も備わっていますので、余力があるようでしたら、是非足を延ばしてみてください。

さらに10分ほど歩くと、東地区のミカン畑に到着しました。
ミカン畑で作業されている方に伺うと、東の港まで30分ほどとの事。あともう少しで東の集落です。
ミカン畑を進んでいくと、五十谷三島へ向かう分かれ道が現れました。

遂に眼下に東の港が見えました。
左側に大嶽を望みながら、東地区の集落を目指します。約2時間半かけて東地区の集落へ到着しました。

県道が主道となって、利用する人が少なくなった「平郡往還」ですが、県道が通行困難になった際、この道が西と東を結ぶライフラインになることは間違いありません。
島の南に位置するこの道を整備すれば、島一周という楽しみも広がります。