平郡島西地区

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島の風景2023/02/04

石垣と白い木の謎

潮風が強い平郡島の海岸にそって、民家を守るための石垣が張り巡らされています。

一見全て同じに見える石垣ですが、年代によって構造が少し違います。
上の写真は最も古い石垣のひとつで、石のみで積み上げられています。そして右の写真は比較的年代の新しいもの。より強固にするため、つなぎにコンクリートが使用されています。
建物の被害を最小限にするため、島の建物は殆ど平屋造りです。屋根は高い石垣と、石垣に沿うように植えられた植栽に隠れ、港側からは殆ど見えません。まるで南の島と錯覚してしまうような景観は、強い風と波から家屋を守る、という共通点があるからでしょう。

海沿いを歩いているとよく目にするものに、地面に打ち込まれた白い木があります。
一見風化したようにも見えるこの木、実はビャクジ(イブキビャクシン)という非常に堅牢な木で、なんと古いものは、江戸時代から姿を変えることなく立っているのだそう。潮風にあたっても腐食しないビャクジは、昔から船をつなぐ杭などに重宝されました。
平郡の旧波止場にもこの杭がたくさん残っています。石垣を縫うように突き出た杭が、当時、平郡島に停泊する船が多かったことを物語っています。