平郡島

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移住の先輩の暮らし2023/03/10 (2017/6/17初出)

松川さん一家

家族構成: 潤さん・三千恵さん・洵子(のぶこ)さん

※ この記事は2017年、アメーバブログ「物語が始まる島 平郡島」に投稿した記事を再編集したものです。

島生活の経緯

もともと田舎暮らしに強く憧れを持っていたのは潤さん。以前から定年前後に移住することを考え、情報を集めていました。
そのなかで、同僚に平郡西出身の方がいたことをきっかけに、平郡島のことを知り、調べてみると平郡から発信するホームページを発見。平郡島の若い漁師さんと連絡を取るようになりました。
三千恵さんは洵子ちゃんの出産後、育児休暇が明けてから仕事場に復帰していましたが、もっと子供と一緒に過ごせる時間が欲しいと思うようになっていました。
そういったなか、平郡島へ下見に何度も足を運んだ後、2007年から住み始めることになりました。
都会から離島へという生活の変化に不安はなかったのか聞いてみると「いろいろと田舎暮らしの情報を集めてみると、町に出るのに2時間掛かるのはよくある話。船を使うとはいえ、2時間掛からず柳井に出られることを考えると、そんなに遠いとは感じませんでした。家も古いものを想像していたけど、実際に見てみたら普通。
島に診療所があり、郵便局があり、多少の日用品はすぐに買える環境だったこと、特に診療所があるのは選ぶ理由でした。子供にも自分にも何かあればすぐに相談ができるし、状態が悪ければすぐに連絡をとってもらえます。
トイレは簡易洋式でお風呂も自分が子供の頃の昭和50年代の感じ。移住前に住んでいた家と比べると、5部屋もあって広さは3倍、家賃は5分の1の2万円でした。」と三千恵さん。
そんな中で一番期待したのは子育てについてだったそうです。
「この環境なら子育てにたくさん時間をとれる。前の職場だったら子供の寝顔しか見られないこともありました。子供にとって一番幸せな時間は赤ちゃんから小学生の間だと思っていて、その間にたくさん時間をとって接してあげたい。その時期を幸せに過ごしたら一生幸せに生きることができると思っていました。」と三千恵さん
島の時間は、やることはたくさんあったとしても、なぜかゆったりとしていますからね。

島の子育て

洵子ちゃんが平郡島に来たときはまだまだ目が離せない時期。デイサービスの仕事は移住してすぐに打診がありました。
一日の生活パターンは、午前中三千恵さんがデイサービスに働きに出ている間に潤さんが子守りをし、午後は潤さんが素潜り漁に出て、三千恵さんが子守りをしました。
そんな生活が小学校に入るまで続きました。
移住してきた当時は未就学の子供が4人ほどいました。
「この環境なら、自分のことも子供のことも他の人と比べてどうこうと思うことをしない、周りと比較しないで済むと思いました」と三千恵さん

洵子ちゃんが小学生に上がることをきっかけに休校になっていた小学校が9年ぶりに開校。
島で唯一の小学生となり、テレビで話題になったのが記憶に新しいですね。
現在、平郡東小学校では全校生徒6人の児童が通っています。
子育てをするうえで、平郡の環境ならではの良さを聞いてみると「子供と接している時間が長い分、たくさんの愛情を注ぐことができました。
できることが増えた瞬間など、日に日に成長していく姿を見ることができした。
棚の上に隠していたものに手が届くようになったり、言葉が話せるようになったり。
そんな変化をつぶさに見守れたのはうれしいです」 とのこと。また、子供の人数が少ない分、先生が一人ひとりに関われる時間も長く、 「分からないところは分かるまで教えてもらえるので、落ちこぼれは出ないし、いじめもない。今、日本中の学校で一番の問題となっていることがここでは起きない」
と潤さん
地域の見守りもあります。
島のみんなが顔見知り。
「洵子ちゃん、あっちにいったよ~」といった声を掛けてもらったりするので、子供がどこにいるのかすぐわかります。
また、平郡東小学校では、地域参観日といって、地域の人が子供たちの授業参加するイベントが定期的にあり、島のみんなも子供の教育を応援してくれています。
島のみんなからもたくさんの愛情を注がれた子供たちは、すくすくと素敵な子に育っています。


島の生活と魅力

平郡での生活費は田舎ならでは。
3人家族で食費と日用品を合わせて3万円。水道代と光熱費で2万円位。
家賃が2万円。その他いろいろの出費はありますが、15万円もあれば十分にやっていけます。
それに、採れたての野菜、釣りたての魚を食べられる。それが当たり前な生活。
家庭菜園で作った野菜や島の人が分けてくれる野菜は、買ってくる野菜と比べて甘みが違います。葉野菜は無農薬が普通だし、完熟トマトは味が濃い。
実家の神奈川に帰って街中で食事をすると、食材の味が違いすぎて食欲がなくなるそうです。
普段の楽しみは家庭菜園。野菜や果物が成長していく姿が子育てに似ているそうです。
自分で作って、自分で肥料を入れて、どんな土地で作っているのかわかっているものを収穫して食べるというのがすごい贅沢。
野菜作りを始めた当初は近所の方が鍬の持ち方から何までいろいろと教えてくれ、上手にほめてくれたりもしてとっても嬉しかったそうです。
今作っているものは、きゅうり、ナス、ピーマン、パプリカ、じゃがいも、スイカ、さつまいも、かぼちゃ、トマト、トウモロコシ。
「特に楽しみにしているのはサトウキビ、黒糖をつくります」とのこと。

島の生活を友人に勧めるとしたら?
「時間がたくさんあります。インドア派の人でも体を動かすのが好きな人でも、時間のゆとりがある分いくらでも楽しめると思います」
「街は変化に富んでいて、いろんな物があって、情報も溢れていて受け止めきれないほど。 島では逆に、こちらから求めないと物も情報も来ない。だからこそ、自分が本当に欲しいものが何かわかりますね。」と三千恵さん
「都会ではどうしても色んなことを人と比べてしまうけど、島では人と比べなくて済む。
本当の自分はどうしたいか?何が欲しいかということに気付きやすいと思います。」
「三年やってダメなら神奈川に戻ろうと話していました。どんなことでも、やめるという決断はいつでもできるはずなので、まずはやってみればよいと思います」と三千恵さん。
田舎暮らしに興味ある方、一度平郡島へ足を運んでみませんか?